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3つのナディ

 自律神経系は脊柱の中に存在し、3つの主なチャンネルに分かれます。左右のチャンネルは、私たちが意識的身体、心や感情のために使う交感神経系を含んでいます。中央の経路は呼吸、心拍や他の無意識反射など、私たちの不随意な活動を統御する副交感神経を含みます。このシステムのネットワークは、サンスクリット語でナディと呼ばれる精妙なエネルギーのチャンネルに相当します。これらのナディは、チャクラどうしを結びつけ、調和のとれた相互作用と、生命の力が流れる道を与えます。チャクラのように、これらのチャンネルも、健康で繰り返し生気を与える人間のシステムを保つために、キャッチやバランスの崩れがないようにしておかなければなりません。

左のチャンネル

左のチャンネル(もしくはサンスクリットでイダ ナディ)は、月のチャンネルとも呼ばれます。ムーラダーラから始まり、左側を上っていきアグニャチャクラを横切り、脳の右側のこめかみとスーバーエゴに至ります。それは私たちの願望の力に道を与えます。これらの望みから、私たちの感情が引き起こされます。実際感情は、未だ物質化していない願望なのです。これらの願望とそれに付随する感覚がこの左のチャンネルを通って、それを成就する行動を引き起こす身体の適切な箇所まで進みます。私たちの願望は行動のためには欠かせません。それらの刺激なしでは、私たちは何も行動することがないでしょう。

左側のもっとも偉大な性質は、スピリットの不変の状態である喜びを与えることです。この喜びをこども時代に感じていたことを思い出すかもしれません。あるいは、2、3歳の小さな子供達の中にそれを見いだすかもしれません。彼らはふつう、朝がた機嫌よく目覚めます。一日のうちで、身体や感情の痛みをしばし体験したとしても、それに記憶でしがみつきません。それより泣いて、立ち直り、また喜びの安定した状態を取り戻します。この喜びへの願望は、まだ私たちの中で生きています。私たちが幼児だった頃と同じです。生活をする上で感情的、肉体的な傷を経験することで、それがブロックされたり、「さび」が出たりすることはあります。サハジャヨガの前には、この苦痛を取り除き、活発な生活をしている私たちにとってむしろふつうのことを吹き飛ばす効果的な方法はありませんでした。サハジャ ヨガの修練はこれらの古い緊張を取り除き、存在の安定した状態としての喜びを回復するのを助けます。

左側の問題は、消極性や極端な感情に傾き、意気揚々と憂鬱のあいだに投げ込まれてしまう結果になりがちです。この種のバランスの悪さがあると、自制が難しくなり、悪い習慣を正すのが大変になります。最悪の場合、無気力状態に陥り、妄想状態になります。このチャンネルが頭部へ力を供給するため、脳への圧力が過剰になるからです。この周期が精神の衰弱、てんかんや脳の老化をひきおこします。

右のチャンネル

右のチャンネル(サンスクリット語でピンガラ ナディ)は、別名太陽のチャンネルともいわれます。スワディスターナチャクラから始まり、右側を上昇します。アグニャ チャクラのところで交差し、左のこめかみ(エゴ)へ至ります。これは私たちの活動力に道を与えます。この力は私たちの知的、身体的な活動からなっています。この右側への要求が過剰だと、左側が弱くなります。つまり、スピリットの喜びへの願いが蒸発してしまいます。この右側が優位になると、非常に無味乾燥で攻撃的な人格になります。過剰な圧力がこめかみやエゴに放たれ、風船のようにそれを膨張させて、中央のチャンネルをブロックします。システム全体がバランス状態から投げ出されます。エゴに目をくらまされ、私たち自身の感情に対する敏感さが減少します。決定や行動は、彼らは「必要とされて」いて、「論理的」であるという堅い信念に基づいていて、他人を支配し混乱させます。極端になると、右側に傾いた振る舞いは、心臓疾患をひきおこします。

ハイテク、ハイパワーの西洋の都市や郊外における動きの速い環境は、圧倒的に右側に傾いた市民を作り出しています。仕事や、学校、ショッピングなどが非常に攻撃的でストレスのある場合、感情と行動の平衡を維持するのは難しいことです。崩れたバランスや否定性を回復し、浄化できるような平和な家庭を維持するのも難しいです。その代わりに私たちのほとんどは、過去からの蓄積された否定性がまだこびりついたままで仕事や学校に戻っていきます。

サハジャ ヨガの修練は否定性を取り除き、チャクラとチャンネルのバランスを整えるのに効果的です。シンプルな瞑想と、フットソークや地面に寝そべり、「オーラ」を整えたり、シュービーティングをしたりなどの技法を使うことで、開くチャクラとバランスのとれたシステムからの喜びとともに毎日を始めることが出来ます。

中央のチャンネル

中央のチャンネル(またはサンスクリット語でスシュムナ)は、中道とも呼ばれます。クンダリーニが宿るところから、脊柱をまっすぐ上っていき最も高いチャクラに至ります。副交感神経系の経路として、中央のチャンネルは私たちの不随意的な系を調和させます。私たちはこれらの活動に対する意識的なコントロールは出来ません。私たちの心臓は拍動していて、肺は呼吸をし、循環器系では血しょうが作られ、脳がコミュニケーションを集中し調和させ、心が「言語処理」をしています。これら全ての驚くべき機能−さらにそれ以上−は、400億以上のコンピューターを凌きます。これらの演算は私たちの注意がどこに焦点づけられているかに関係なく行われています。それらは私たちの意識的なコントロールや指導は必要ないようです。しかし奇跡的に、非常に複雑な相互作用、統合、情報交換による身体の不随意活動機能は、今日DNAにまでメスを入れている現代医学でさえも、「氷山の一角」にしか達していないことを認めています。人間のシステムは非常に広大で巧妙であり、ほんの初歩的なことを解明するにつけ、私たちがいかに無知であるかを知らされます。さて、私たちはこれから新しいことを学びますが、これがサハジャヨガについてです。

副交感神経系を通して生起する活動は次の通りです。

それらは、何もすることなく自然に生起します。クンダリーニの上昇と彼女の仕事は、他のスピリチュアルな活動と同じように自発的です。従って、サハジャという言葉がこの種のヨガを表すために選ばれました。なぜならサハジャとは自発的であることを意味するからです。中道が副交感神経的な性質を持っていることは、クンダリーニの上昇は完全に私たちの意志の作用やコントロールを越えていることを示唆しています。

そのため、シュリ マタジが触媒として働かねばなりません。クンダリーニが一度目覚めて中央の経路を上昇していき、頭頂部から出ていくと、私たちは自身の精妙な身体の広大な内的宇宙に、次第に気づき始めます。この初めの「啓発(悟り)」あるいはリアリゼーションは、最も偉大な冒険のほんの始まりにすぎません。

 

Source: http://www.t3.rim.or.jp/~hitoshii/Nadhis.html